【流鉄壁画プロジェクト】第6回流山市景観賞を受賞しました

流鉄壁画メディア掲載情報等

2019年10月から約2ヶ月に及んで行った「流鉄壁画プロジェクト」が、第6回流山市景観賞を受賞しました。

流山市景観賞とは(市HPより)
良好な景観の形成に聖ていると認められるものを表彰することにより、景観に対する市民意識の高揚を図ることを目的として、歴史的・文化的な建築物や街並みなど、市の良好な景観を募集するものです。

https://www.city.nagareyama.chiba.jp/information/1006912/1006942/1020331/index.html

講評 

審査員の方より、以下のご講評をいただきました。

◇壁画作成をまちづくりのきっかけとして活用し、地元住民や企業を巻き込み、対話を重ね作成することで、地域住民の関心を高めることに寄与している。

◇サビ付いた万能鋼板が並ぶ寂れた裏通りのような雰囲気の通りを、多くの市民を巻き込みながら変化させた。

◇最終的な表現はプロに託し、成果品の質を確保したことにより、色彩豊かで迫力ある表現となり、まちの景観を大きく変えている。

◇従来の壁画ペインティングの事例と比べて、本件の壁画ペインティングの作成プロセスと壁画のコンセプトは、今後の壁画ペインティングのひとつのあり方を示唆している。

◇地域の歴史や文化等の妥当性のある題材であり、地域の学びや愛着を高める効果が期待できる。

流山壁画プロジェクトについて

このプロジェクトは東京藝術大学に勤めるアーティスト 知念ありさがリーダーとなり発足し、流鉄流山駅から市役所・博物館へ向かう道にあった「流鉄車庫を囲う約100mの赤く錆びたトタン壁」に、“まちの過去・現在・未来を表す絵巻物”というコンセプトの壁画を制作しました。

ロンドンを拠点にアーティスト活動を行なっている壁画ペイントアーティスト Clare Wallis(クレア・ウォーレス)が、流山にホームステイを行いながら壁画制作を進める「AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」という手法を取り入れています。

このプロジェクトを通して世界に流山の魅力を伝えることや、この流鉄壁画がまちの新たな景観となり、よりたくさんの方が流鉄流山線を利用し、流山本町へ足を運んでくださること、そして多くのコミュニケーションを生み出すことを目指しました。


※流鉄壁画全体の写真、アートの詳細はこちら


Clare Wallis(クレア・ウォーレス)は、まちの散策やまちの方々との対話、一緒にご飯を食べることから得たインスピレーションをデザインに活かし、さらに“What Art Can Do for City”(アートがまちのためにできること)を追究しながら制作に取り組みました。
彼女のこの流鉄壁画にかけた想いを一部、アーティスト滞在日記よりご紹介します。

(一部抜粋2019.10.26
完璧な仕上がりよりも大切なのは、コミュニティーの人たちとの共同作業。このプロジェクトは普段の仕事と違うんだということを意識しなくちゃいけないと思う。塗料のダマもある意味、手伝ってくれた人たちの痕跡、努力の証だということ。だからそれが嫌とは思わない。これからもたくさんの痕跡が残るだろうけどそれはそれで良い。

(一部抜粋)2019.12.01
流山の増え続ける子どもたちがアクセスできるアートは限られている様に思う。文化や芸術に触れることで、良好な人格形成、繊細さ、探究心、コミュニケーション能力を培うことができると思います。(中略)
この壁画が地元の人や通勤者にささやかな喜びを、子どもたちのためにも地域の再生をもたらせることができたらいいなと思います。

ご協力いただいた方々

またこのプロジェクトでは、様々な形で約150名以上の方々からご協賛・ご協力をいただきました。

◇制作材料として、30万円相当の塗料を日本ペイント株式会社様より
◇宿泊先として、40万円相当の宿泊を近隣のホームステイ受入家庭より
◇渡航費・生活費・消耗品費などの活動資金として、計約60万円の協賛金を約70名の住民・市の事業者・流鉄沿線活性化実行委員会より
◇下塗り、通訳、食事、サイト立ち上げ運営、広報といった制作アシスタントとして、たくさんのご協力を1~73歳までの約100名の方々より

サポートの頻度や金額の大小に関係なく、「プロジェクトが成功してほしい」「クレアさんを応援したい」「楽しそう」「まちのために良いことだから」など、皆様からのポジティブな想いに等しく支えられ、まちのみんなで流鉄壁画を新たなまちの資源として完成させることができました。

流鉄壁画プロジェクトから生まれた様々な交流

プロジェクト期間中、地元住民の方から「昔ここでこんなことをして遊んだよ」「ここにはこんなお店があってね」といった思い出話を伺ってイメージを得ることや、まちでよく見かけた草花のお話を参考に壁画へ反映してゆくこともありました。
毎日毎日、machiminスタッフがみりんを使用した昼食を作り、アーティストと共に食事を取りましたが、その円卓にはまちの様々な方が参加し、年齢・性別・国籍・職業に関係なく、一生懸命英語や身振りでコミュニケーションを取っていました。
その中で、たとえ同じものを見ても捉え方次第で全く違うものに見えることや、何と比較するかによって受ける印象が異なることも体感しました。

今までコミュニティに参加されていなかった方がこれを機に覗いてくださるようにもなり、それが制作から一年経った今でも続いていることから、このプロジェクトの大きな影響を感じています。

日々の交流はもちろん、たくさんのイベントも行い、そのそれぞれが”まちのみんな”の得意を活かす場であり、新たな挑戦の場でもありました。以下に画像でご紹介します。


2021年1月現在、新型コロナウィルスの影響でその後のイベント開催を一時中断しておりますが、今後もこの取り組みをきっかけに『まちのみんなで、まちの未来を想像・創造していく』というコミュニケーションの場を設けてまいりますので、引き続きご注目ください!

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