流鉄流山駅を降りると、レトロな町並みがたたずむ流山本町と呼ばれるエリアにたどり着きます。そこは、江戸時代より江戸川の水運を活かし商業のまちとして栄えていました。
明治時代の建築物や土蔵、百年以上続く老舗が点在し、それら歴史的建造物の中には、市や国の文化財として登録されているものもあります。
まちを散策していると、切り絵でまちの風景が描かれた個性豊かな「切り絵行灯」が目に留まります。この「切り絵行灯」の切り絵を制作した方が、流山本町で生まれ育った切り絵作家の飯田信義さんです。
流山本町の風景を切り絵で残したいと勤しむ飯田信義さんについて、Ryutestu Area walikng lab.で連載します。
切り絵作家 飯田信義さんプロフィール
1947年流山生まれ。1995年から独学で切り絵を始められ「風景は写真や絵でも残せるけれど、切り絵にすることで古い街並みに合ったレトロ感が出る」と感じ、切り絵で流山の歴史・文化を表現され続けています。
2012年から幼馴染の長谷部年春さんとともに流山本町の「切り絵行灯」を製作されています。
プロフィール
- 1995年
- 市役所に勤務中に独学で切り絵をスタート
- 2011年以降
- サンクトペテルブルク、パリ、ロンドンなどの海外の芸術祭へ出品
- 2013年
- 「国際切り絵コンクール・イン・身延ジャパン」入選
- 2014年
- 流山本町行灯による町づくりで「流山市景観賞」受賞
- 2019年
- 千葉県都市協会まちづくり功労表彰
- 2019年
- まちづくり功労表彰として国土交通大臣賞受賞
コラボレーション活動
- 2012年〜
- 長谷部さんと切り絵行灯製作を始める
- 2016年
- 流山あかり館 彩(現 あかり館@雑貨konocono)と手作り行灯キットの製作
- 2018年
- ちりめん細工「桃の会」と流山エルズにて作品展を開催
- 2020年
- machiminと「切り絵デザイン×転写シート」製作コラボ
消しゴムはんこ作家いとうみきさんと「切り絵デザイン×巨大消しゴムはんこ」製作コラボ
市民向け講座開催
流山文化会館でのミニ行灯づくり、切り絵講座など
切り絵との出会い
飯田さんが切り絵の創作活動を始めたきっかけは、旅先で心に残る切り絵原画と出会ったことで、その作品に、どこかふるさとを思い出させるような、想像力を掻き立たてる魅力を感じられて、虜になられました。
その作品の購入を考えたそうですが、高額だったため断念。しかし、切り絵に魅せられた飯田さんは、もともと手先が器用だったので、「自分でも切り絵が作れるのではないか」と思い、すぐに創作活動を始めました。
何のために切り絵を作るのか
飯田さんが切り絵で表現するのは、流山の歴史や文化。移りゆく流山の景色を飯田さんの感性と地域の人々の記憶を頼りに、切り絵として表現し、残していきたいと考えていらっしゃいます。
長く創作活動を続けられるのは、「誰かのためではなく、自分のため、やりたいからやっているという心構えを変えないこと。これがもし、仕事になっていたら、辛くなってしまうかもしれない。気分が乗らない時はやらない、やりたい時はとことんやる。」それが飯田さんの切り絵との向き合い方です。
そして、何より、切り絵を見て喜んでくれることが切り絵に向かう一番のモチベーションになっていると語られました。
次回からは、飯田さんに取材した内容を、machiminスタッフそれぞれの視点で、ご紹介していきます。
飯田信義さんインタビューVol.1はコチラ↓
飯田信義さん 切り絵ギャラリーはコチラ↓